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mozilla.org は、奇妙な存在です。Mozilla は、野獣の腹部から産み出されたオープンソースプロジェクトです。今、私たちは、よたよた歩く野獣がもう一つの野獣と結合する、交配の踊りのうなり声とすり足の音を聞いています。そして、私たちの小さなトカゲはその下に押しつぶされないだろうかと、多くの人が心配しています。 ここで忘れてならないのは、mozilla.org は Netscape ではなく、過去にもそうではなかった、という事です。多くの人が理解していない、あるいは信じない事ですが、私たちが最初の使命に関する声明に記したように、Mozilla Organization は Netscape とは別の予定表で動いています。私たちは、Mozilla ブラウザのオープンな開発をガイドするためにチャーターされたのであり、それが私たちの行なってきた事なのです。 しかし、私たちは、多くの人が見過ごしている mozilla.org のある性質を理解しています。mozilla.org は実際ごく少人数の組織なのです。私たちフルタイムのスタッフは３人で、他は一握りのボランティアです。そして、私たちは殆どコーディングを行ないません。Mozilla のコーディング作業をしている人は何百人もいますが、その人たちは mozilla.org のために働いているわけではありません。この人たちの多くは Netscape の社員ですが、他の会社の社員や、プライベートの時間をさいて貢献している人の数は増大しつつあります。（たとえば、 Autoconf と GTK-FE プロジェクトは、ほとんど全て Netscape 以外の会社の社員によって行なわれました。また、XPFE では多数のアウトサイダーが協力しています。これらはほんの一例です） mozilla.org の私たちは、少人数のガイド役です。あなたたちハッカーが大多数を占めていて、あなたたちが決定権を握っているのです。私たち mozilla.org の人間は、案内し、調停を行ない、インフラを供給しようとしています。しかし、Mozilla プロジェクトの真の方向付けは、実際にコードを書いている人々の手にゆだねられています。これこそが重要な点です。実際に走らせたとき、プログラムは何をするか？ 作業しているハッカーたちが、これを決めているのです。 Mozilla の予定表が Netscape によって決められている、という印象を持っている人たちもいます。ある意味では、これは真実です。なぜなら、Netscape は、Mozilla のコードベースで働くために、百人以上の人員にフルタイムの給料を支払っています。その結果、Netscape のコードは捨て去られました。 さらに、この巨大な、配布可能なソフトウェアの計画に管理とインフラとツールを供給する私たち mozilla.org, に対して、Netscape は資金を提供しています。 では、Netscape の買収は mozilla.org にどんな影響を及ぼすでしょう？ 希望的観測ですが、何もないでしょう。AOL は、Netscape を現在の姿から変えようとして買収したのではありません。単にクライアントソフトを捨て去るためだけに、40億ドルを投じて Netscape を買収したとは考えられません。 従って、AOL が Netscape Navigator を保有したいと仮定すると、彼らが Netscape と同様な方針を採用する、と仮定するのは無理のある事ではありません。その方針とは、オープンソースが機能している事、そして最先端のウェッブブラウザを得る最良の方法は、それをオープンにし続けることである、という事です。 ここで、最悪のシナリオについて考えてみましょう。悪夢について考えましょう。もし、AOL が「オープンソース」を憎んだら？ 私たちがやってきたこと全てを取り消して、Mozilla を再び邪悪な独占物にしたいと、彼らが考えたら？ 彼らが、ブラウザ（訳注：ブラウザの開発）は時間の無駄だと考え、永遠にマイクロソフトの Internet Explorer を使い続けるべきである、と考えたら？ そう、彼らに一度起こったことを取り消すことはできません。Mozilla のコードはそこにあり、リコールによる回収はできません。それは、オープンソースライセンスの元に配布され、誰もあなたの手から取り上げることはできません。決して。 もし AOL がオープンソースを嫌ったり、彼ら自身のブラウザを作りたくないと思ったとしても、彼らにできることは、Mozilla の未来に貢献できない、という事だけです。彼らは、Mozilla で作業することに対して百人以上の社員にフルタイムの給料を支払うのを止めたり、mozilla.org のフルタイムの従事者である私たちに資金を提供するのを止めることはできます。 しかし、これだけは覚えておいて下さい。Mozilla の予定表は、それに貢献している人々によって決められているのです。もしあなたが、mozilla.org はただのカムフラージュで、その存在理由があなたの労作を会社のよたよた歩く非人間的な獣のもとに巻き上げるためのものだ、と信じているのであれば、参加するのを止めましょう。ソースコードを収得して、それを元にあなた自身のブラウザを作りましょう。ツリーを枝分かれさせましょう。正しいと思う事をやりましょう。 これは、最初にソースが公開された時からの、あなたの特権です。 そして、このような運動はまだ起こっていません。mozilla.org は今まで公平に活動してきたからです。私たちは、やろうとしていると公表したことをやってきましたし、このプロジェクトを他の成功したオープンソースのプロジェクトのように、真に協調的な活動としてマネージメントしてきました。 Netscape は、この方法がうまく動作する唯一の方法であると認識しました。Netscape が、私たちに私たちのやり方で mozilla.org を運営するのを許可しているのも、mozilla.org に前例のないレベルの自治権を与えているのも、このためです。 この先、財布のひもを握る人たちが、同様に開かれた視点を持つことを期待します。そうすることは彼らの利益になるのであり、私たちは彼らがこの事を理解するように希望しなければなりません。 ネットには、いろいろな理由で、AOL に多大な敵意を表明している集団がいくつか存在します。他の集団は、同様な敵意を Netscape に向けています。理由は同じかもしれませんし、違うかもしれません。しかし、結局の所、どんな問題があると言うのでしょう？ あなたは、良いオープンソースのウェッブブラウザを取引なしに手に入れるか、または手に入れられないかのどちらかです。誰がそれを作ったかが問題になるでしょうか？ 作品はそれ自体が語り、それ自身の良い点によって評価されるべきです。Mozilla プロジェクトに貢献したいと思う人は誰でも、もろ手を挙げて歓迎されるでしょう。 mozilla.org は、Netscape ではありません。また、現在も、そしていかなる未来においても、AOL ではありません。
私が上の記事を書いた主な動機は、Mozilla プロジェクトが Netscape よりも大きく、二者の運命はもはや強固に結びついていない、という事を主張したかったからです。これを表現するために、私は最悪のシナリオについて語り、ある人々が予測するほど悪い状況ではない事を示そうとしました。 私の言い方が足りなかったかも知れませんが、私はこの事態が最悪のシナリオになると予測しているわけではありません。そして、ありがたいことに、今日、私の考えをバックアップするコメントが、Netscape と AOL の重役からありました！
(「奇妙な」と言ったのは誰だ？)
(ふーむ、「いつの日か」？ Mike にもっと最新のデモを見せる必要がありそうだ！)
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