この小文は、クッキーとは何か、についていくぶん単純化した説明を行なおうというものです。("cookies" の用法を作った Netscape による)クッキーの公式の定義は、文末に記されたサイトに記載されています。
"Cookies.txt"、あるいは類似の名称のファイルは、あなたのマシンについて、および、もしあなたが許可したならば、あなたについての、いくばくかの情報を保持しています。
多くの人々は、「クッキー」を、あなたについての情報を収集する邪悪な方法であると考えています。この文を読めばわかる通り、邪悪なものは何一つありません。もちろん、もしあなたが偏執狂ならば、以下の記述はクッキーが邪悪なものであることを「証明」するものであり、あなたに同情を禁じ得ませんが、事実は違います。
クッキーが何であり、なぜ存在するのかを理解するために、大きなサイトは文字通り年間に何百万人もの人が訪れる、という事実から始めましょう。そのサイトに訪れた人についてある種の事柄を知る事は、訪れた人とサイトの運営者の双方にとって、有益な事が多々あります。
もちろん、多くの人は、そのサイトに一度きりしか行かない、あるいは、めったに再訪しないので、ビジターに関する情報をサイトに保存するのは、無駄が多く、高価なものになります(情報を見る事によって、表示に要する時間も遅くなります)。cookies.txt ファイルのコンセプトは、サイトが、そのサイトに訪れた人の情報を得られる目的で発明されました。
cookies.txt ファイルは、Netscape ディレクトリにある、小さなテキストファイルです。一つのエントリは、4000 バイト以下で、ファイル全体のエントリ数は 300 個以下、一つのサイトにつきエントリは 20 エントリ以下とされています(これ以外のルールもあります)。最も重要な事ですが、あなたの cookies.txt から情報を入手することはできません。そういう仕組みではないのです。
情報は、サイトによって、あなたのファイルに入力されます。あなたがサイトのどこかにある質問に答えない限り、サイトがあなたのファイルに入力できる情報は非常に限られています。基本的にサイトがあなたについて知り得る事は、あなたがそこを訪れた事、その日時、そしてどのページを読んだか、です。もしあなたが質問に答えれば、サイトがあなたについての追加情報をあなたのディスクに記録する事は可能です。しかしそれはあなたが知らせても良いと考えた事だけに限られます。
サイトがあなたについての情報を得る方法はこうです。あなたが Netscape を使ってそのサイトに行こうとした場合、 Netscape は cookies.txt ファイルを参照し、もし URL (アドレス) が一致すれば、cookies.txt ファイルの中のその URL に関する情報だけを送信します。繰り返しになりますが、サイトはあなたの cookies.txt ファイルの情報を要求する事はできません。
さらに、cookies.txt ファイルの情報は、サイトが設定した有効期限を過ぎると消滅します。もし有効期限が設定されていなければ、情報はかなりの短期間で消えます。(多くのサイトは、有効期限を設定していません)
公式の見解は次のサイトに記載されています:http://www.netscape.com/newsref/std/cookie_spec.html
以下は、この公式見解からの引用です。
サーバーは、クライアントに HTTP オブジェクトを返す時に、クライアントに保存されるある種の情報を送る場合があります。この情報には、そのサイトの URL が含まれています。その後に、クライアントからこの URL に対して、HTTP リクエストが送られた場合、それとともにクライアントからサーバーに情報が送信されます。このオブジェクトは、クッキーと呼ばれますが、その由来は感動的なものではありません。
この単純なメカニズムは、新しい強力なツールを提供します。これにより、サイトの運営者は、新しいタイプのアプリケーションを、ウェッブの環境をベースにして作成することができるのです。ショッピングのアプリケーションは、現在選択されている商品の情報を保存できます。有料のサービスでは、顧客の登録情報を送り返せるので、顧客は次回にユーザーIDを再入力しなくても良くなります。サイトは、ユーザーごとの設定をクライアントに保存できるので、アクセスの度にこの設定を使って表示できるようになります。
これで、なぜこの文章が書かれたかがおわかりになったと思います。(^^)
Cookies についてもっと知りたければ:
PC Magazine の4月22日号(訳注:1977年)の 記事 を見てください。
最終更新 1999/1/18
翻訳および編集 池田譲治
The UFAQ Japanese edition is translated & edited by Joji Ikeda.