質問： 「Netscape はなくなると聞きましたが本当でしょうか？」「Mozilla
はどうなるのでしょう？」
回答： 私にもわかりません。(^^;
AOL と MicroSoft が和解した、という報道が出て以来、Netscape の未来に関する動向が取りざたされています。本稿では、できるだけ正確な情報をお届けしたい、という目的で作成されていますが、現在（2003年6月4 日）の所、Netscape/AOL 内部の人からの公式なコメントはありません。以下は、Netscape Champions の一人であり現在の UFAQ のメンテナでもある Jay Garcia 氏が、N7 のニュースグループ (snews://secnews.netscape.com/netscape.netscape7.windows) に投稿した内容（英文・複数）の要約です。随時更新するつもりですが、少なくとも来週 （6月8日以降）にならないと確実なことはわからないでしょう。
なお、Jay Garcia 氏は、我々一般ユーザよりも Netscape 社に近い位置にいますが、Netscape/AOL 内 部の人ではないので念のため。
「Mozilla 1.4 をベースにした Netscape 7.1 は、今年の夏にリリースされるでしょう。
Netscape 社がどうなるか、現時点では確かなことは言えません。Netscape に雇われている人が配置転換される可能性は高いですが、どのくらいの規模かは不明です。Netscape 社自体が、他の会社に拾われる可能性もあります。IBM か、Sun か、HP か、誰にわかるでしょう？ 次週の続報を待ってください。」
「Mozilla と Firebird は確実に開発が続けられるでしょう。Mozilla がオープンソースである、という事がその将来を保証しています。Firebird は、Netscape/AOL/TimeWarner の資金援助や、Netscape のサポートを受けてはいません。Firebird の創設者たちは、Netscape の社員ではありません。一人か二人は、Netscape の社員で、就業中に若干の貢献している人もいますが。Bugzilla は、いずれにせよミラーがあるので、存続します。CVS サーバの方は、別のホストを見つければ良いだけです。
Thunderbird については、確かな事はわかりません。主力である Scott Carpenter は Netscape の社員です。ですので、Thunderbird の未来については不確かです。」
6月16日追記：
今の所、「次週の続報」らしきものは投稿されていません。現時点までの間に、大きな動き、あるいは重要な情報はなかった、という事でしょう。
もしかすると、ここをウォッチしている人がいるかもしれないので、関連情報を一つ。
（"Netscape のプログラマで Mozilla コードの作業をしている人は 200人ほどいる筈"、という投稿への Jay の返信）
「Netscape の社員で Mozilla の仕事をしていた人の数は、別の仕事で給料をもらっている貢献者を含めても、最大で約
150人です。今現在、Netscape のプログラマで、 "Netscape" の仕事をしている人数は、たったの三人で
す。
もし AOL が現在の Netscape の全従業員を配置転換あるいはレイオフするとすれば、その人数はおよそ 75人です。」
また、根拠は示されていませんが、「Thunderbird も大丈夫だろう」という発言がありました。
7月17日追記：
本家 UFAQ のトップページ
にある、ニュース欄を和訳します。（余談ですが、 投稿者名の wile というのは Jay Garcia 氏のハンドルネームと思われます）
AOL が Netscape を捨てる
「本日（2003年7月15日）、AOL は Netscape を放棄すると宣言した。Netscape の社員はこのニュースを今朝聞いた。退職させられた者もいるし、AOL 内部の別の部署に配置転換させられた者もいる。
Netscape 7.1 のリリース後として、これは予想された事であり、7.1 が最後のリリースになるだろう。もし、重大なセキュリティの問題が警鐘を鳴らせば、修正版 （7.11） が出るだろうが、そうでない限り、私たちは Netscape の本当に最後のリリースを目撃した事になる。
Mozilla Firebird と Mozilla Thunderbird は、開発が継続されるだろう。AOL は 200万ドルと設備を mozilla.org に寄付し、彼らの好きにやらせる事にした。mozilla.org に幸運あれ。」
そうならない事を祈ってはいますが、これが最後の追記になるでしょう。
2004年7月9日追記：
最後の追記にはなりませんでした。
「Netscape ブラウザ救済請願書」（ 状況説明 と 請願書の和訳 。なお、この追記を執筆している現在、署名の閲覧はできない状態のようです 署名の閲覧ができない、という人で、Norton Internet Security を使っている人は、プライバシー制御の設定で、ブラウザプライバシーを off にしてみましょう） の甲斐あってか、Netscape 7.2 が近々リリースされる筈です。
Netscape 7.3 以降がリリースされるかはいまだに未知数ですが、とりあえず
「関係者の誰ひとりとして予想しなかった結末になりましたとさ。めでたし、めでたし。」
で本稿を閉じたいと思います。